うつ病や、こころの病について調べている方なら、セロトニン欠乏脳、という言葉を1度は目にした事があると思います。
「セロトニン欠乏脳」という言葉は、セロトニン研究の第一人者と呼ばれる、有田秀穂博士によって書かれた著書、
「セロトニン欠乏脳 〜キレる脳・鬱の脳を鍛え直す〜」
によって、一般の方に浸透した言葉です。
この本が発刊されたのは10年以上も前の事ですが、ちょうどこの頃から凶悪な少年犯罪や、引きこもり、うつ病などの、心の病が日本でも深刻な問題として広く認知され始めた頃だと記憶しています。
セロトニン欠乏脳とは、脳のセロトニン神経が何らかの原因で弱ってしまい、セロトニンの分泌が少なくなってしまう。
そして、脳のセロトニン濃度が下がる事を意味します。
心の病を作り出す、セロトニン欠乏脳とは
セロトニン欠乏脳が引き起こす問題のひとつが、うつ病です。
セロトニンは感情のバランスを保ち、極端な落ち込みや不安、イライラを抑えてくれる働きがあると言う事は、既にご存知の方も多いと思います。
また、睡眠を誘導するメラトニンの合成や、自立神経の正常な働きを促すセロトニンが不足すると、不眠の症状も引き起こされます。
有田博士の著書の中では、この事だけでなく、情動など、様々な神経に繋がる「セロトニン神経」が弱る事で、「キレやすい脳」や「想像もつかない犯罪」を引き起こす可能性があると述べています。
セロトニン欠乏脳が増える理由
セロトニン欠乏脳の原因は、意外にも普段の生活習慣と大きく関係しています。
夜更かしや運動不足、ストレスや食生活の乱れなどが、これに当てはまります。
きっと誰にでも思い当たる事ではないかと思いますが、パソコンやスマートフォン、残業や夜更かしが当たり前の現代の生活は、セロトニン欠乏脳を抱える人が増えても全く不思議ではありません。
むしろ、これからもどんどん増えていくのではないかと思ってしまいます。。
セロトニンを増やす生活とは
普段からセロトニンを増やす為には、どのような事を心掛ければ良いのでしょうか。
それには、先ほど書いたセロトニンを減らす事と逆の事をすれば良いのです。
つまり、継続的な運動や、規則正しい睡眠時間、バランスの良い食事、ストレスを溜めない生活です。特に、子供の頃からこうした基本的な事ができていないと、深刻なセロトニン欠乏脳を作り出してしまいます。
有田博士の著書の中では、子供の頃は外を走り回り、友達と触れ合い、朝起きて夜ぐっすり眠る。そんな、子供として当たり前の事が普通にできていれば、さほど心配は要らないそうです。