心の病や、不眠の改善に欠かせないとされる、脳の中の神経伝達物質、セロトニン。
セロトニンを作り出す材料となるアミノ酸である、トリプトファンについても、既に知っている方も多いと思います。
セロトニンを増やす為に、なるべくこのトリプトファンを摂取する事が勧められています。
しかし、間違った解釈でトリプトファンを摂取していても、セロトニンを作り出す効果が薄れてしまうので、注意が必要です。
トリプトファンの食品と摂取量
まず、トリプトファンはどのような食品から取り込むことができるのでしょうか。
トリプトファンが多く含まれる代表的な食べ物として、大豆製品、乳製品、ナッツ類などが挙げられます。納豆やチーズ、アーモンドなど、様々な食品からトリプトファンを得ることができます。
摂取量の目安
トリプトファンの摂取量の目安ですが、平均的な成人男性の場合、1,000mg〜1,500mg程度の量を摂取すると良いとされています。
比較的トリプトファンが多いとされる納豆やプロセスチーズの場合、100gあたり、約200mgのトリプトファンが含まれているとされています。1日3食、しっかりバランスを考えた食事をしていれば、無理の無い数値であることが分かります。
また、最近ではトリプトファンを効率的に摂取する為の、サプリメントも販売されています。
トリプトファンだけに頼らない
ただし、気をつけなければいけないのが、トリプトファンだけではセロトニンが作り出されないという点です。セロトニンを作り出すには、トリプトファン以外にも、ビタミンB6などのビタミン類なども必要となります。
更に、ご飯やパン類などの炭水化物は、セロトニンを血液と共に脳へ送り出す為にも、必要な要素です。
トリプトファンの取りすぎは問題か
通常、バランスの良い食事を心掛けている限り、極端にトリプトファンを摂取し過ぎるということはほとんど無いと思います。
また、トリプトファンを含む食品を食べ過ぎると、セロトニン症候群などの重篤な症状に陥るのではないか、と心配される方も居ると思います。
しかし、セロトニンへ合成されなかったトリプトファンは、排泄物として体外に排出されるので、ほとんど心配する必要はありません。
先ほども書いたように、トリプトファンは、食品として摂取した分だけセロトニンになる、ということはありません。
食べ物や成分だけでなく、セロトニンを作り出す為には運動など、生活習慣の見直しも必要ですので、注意しましょう。